令和7年度 実施事業計画
平成 7年 4月 1日から令和 8年 3月31日まで
◆ 基本方針
令和6年度のばんえい十勝は、年末まで順調に発売額が伸びており、その後、本年1月に発生した馬コロナウイルス感染症の影響から、売上げが伸び悩む時期もありましたが、最終的な発売額は570億円を超え、史上最高額となるのは確実な情勢です。
また、帯広競馬場の入場者数も過去最高の39万に迫る勢いであります。
このような中、新たにばんえい競馬の競走実施事務を担う、「一般社団法人ばんえい十勝」は、本年1月31日付けで設立登記が完了し、3月には農林水産大臣の承認を得て、4月からは、新体制のもとに運営が開始されると伺っております。
今後、山積する様々な課題を克服するためには、地方競馬全国協会と帯広市がより一層連携を密に図りながら、ばんえい関係者としっかり向き合うことが極めて重要です。
その上で、時代の趨勢を見極めながら、揺るぎない信念を持って公正確保のもとに運営体制強化を目指すべく、改革断行の舵取りを行っていただきたいと思います。
当協会としても、将来にわたってばんえい十勝が安定的に継続できるよう、これら一つ一つの課題解決に向け、目標を共有することを常に意識して、共に主体性をもって能動的に取組む覚悟であります。
そのためには、今後も役職員が一丸となって、ばんえい十勝の目指すべき方向に向かって、会員各位をはじめ関係者全員が、納得と共感を持って改革が成功できる協力的な環境づくりと理解が醸成されるよう、当協会は組織力を駆使して自らの取組みも、より一層強化してまいりたいと考えます。
【実施事業】
1.競馬普及啓発事業(定款第4条第1号)
(1)帯広・十勝の観光資源であるばんえい競馬の普及啓発とファン誘致のため、ばんえい競馬カレンダー等をプロモーションの一環として無償で配布する。
(2)ばんえい競馬の魅力と楽しみ方を多くのファンに伝え、来場者を増やすとともに勝ち馬投票券の発売を促進するため、地域や関係機関と連携したイベントを行う。
(3)ばんえい競馬の発展と共に地域振興に寄与し、公共の福祉を増進するため、社会福祉施設へ福祉用具を寄贈する。
(4)レースの質の向上とファンの拡大を図るため、ばんえい競走のなかでも、人気や格式高い歴史ある重賞競走における冠競走に副賞を贈呈する。
(5)当協会ホームページ等を活用し、ばんえい競馬に関する情報、馬主の魅力や楽しみを伝える発信を行い、新たな馬主登録の推進を図る。
2.生産振興等事業(定款第4条第2号)
(1)北海道遺産に登録されている馬文化の継承とばん馬(重種馬)による地域振興活性化を図るため、祭典ばんばや共進会等に協賛や総合的支援を行う。
(2)公益社団法人日本馬事協会が、牽引能力に優れた重種馬の改良及び馬産の振興を目的に、ばんえい競走において優秀な競走経歴馬を種馬として購買するため、その業務への協力を行う。
(3)公益社団法人日本馬事協会が、重種馬生産の担い手を確保するとともに、重種馬生産の増頭・維持を目的に、ばんえい競走において優秀な競走経歴馬を繁殖種雌馬として購買するため、その業務への協力を行う。
3.防疫衛生事業(定款第4条第3号)
ばんえい競走における安定的競走馬の確保と振興発展に向け、競走馬の防疫の推進と疾病の未然防止のため、競馬場在きゅう競走馬に対して各種ワクチンの予防接種及び衛生検査を行う。
4.共済事業(定款第4条第4号)
ばんえい競走馬の事故による損害を軽減するため、競走馬の斃死等に対して弔慰金を給付する。
5.出走申込等事業(定款第4号第5号)
(1)会員に代わり、ばんえい競馬の出走申込み、各種申請等を行う。
(2)ばんえい競馬の報償金からや装蹄料、診療費等を控除し、各会員の指定した口座に振込み支払い業務を行う。
6.連絡調整事業(定款第4条第6号及び第7号)
当法人の各種事業の円滑な推進と効率的な運営を図るため、ばんえい競馬関係機関及び企業、団体並びに会員相互の連絡調整、情報交換を緊密に行う。
(1)関係団体と連携を緊密に図るため、各団体会員、構成員として参画する。
(2)会費、特別会費及び負担金等の徴収内訳や報償金、装蹄料金及び剥鉄並びに削蹄料金や診療費の内訳明細を各会員に送付する。
(3)馬主だより、馬主協会ニュースを発行し当協会の活動状況、連絡事項等について会員並びに関係機関に情報提供を行う。
(4)本協会の組織運営強化と健全なる発展を図るため、総会、理事会、執行役員会等各種会議を適宜開催するとともに、法令及び定款に基づく健全な事業運営と社会的信用の向上に努める。
(5)当協会会員に対して、公正確保の重要性と自覚を促すとともに、不祥事案発生防止に関しては帯広市と連携し、徹底して不正協定や名義貸借等の情報収集、調査を行うとともに、厳正かつ毅然とした対処への取組みを強化する。また、判明した事実は、捜査機関へ通報する。
7.診療業務委託事業(定款第4条第8号)
将来に亘ってばんえい競走馬の安定的診療体制を構築するため、当協会はアテナ統合獣医ケア(福本奈津子獣医師)と診療業務に関する委託契約を締結し、臨床を担う獣医師の育成とともに会員の所有する競走馬等の円滑な診療体制の確保を図り、以ってばんえい競馬の安定的な運営に寄与する。
(1)常に安全・安心で質の高い獣医療の確保に向けて、高額医療機器等の整備、充実を図ることによって、会員の競走馬等の的確な診断と適切な治療を受けることができるよう、診療所の環境整備を行う。
(2)ばんえい競馬の安定的な診療と獣医療の向上を図るため、帯広市と連携し、診療所に対して獣医師育成のための支援を行う。
(2)委託業務が適正かつ迅速に行われるよう、診療所に対して総合的な支援と側面的なサポートを行う。